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未来の小窓(43) 特定妊婦

 大きな事故が起きるたびに、「想定外だった」という釈明を耳にする。リスクを全く予想できなかったのか、予想はしていたものの、きちんとした対策が必要とは考えなかったのか。前者はどうすることもできないかもしれないが、後者はちょっとした想像力があれば、対応できるのではないか。取引が多くなる月末に、たくさんのデータの移行作業をしたみずほ銀行の担当者は、まったく想像力に欠けていたと言えるだろう。
 予期せぬ妊娠や経済苦などで、育児するうえで、「公的支援が必要」と行政から認定された「特定妊婦」についての調査結果が発表された。制度が始まったのは2009年。初めての年は994人だったが、10年後の18年には7233人になった。新型コロナウイルス禍で、収入が減り、行き場がなくなってしまう母親も増えており、行政の支援までつながらない妊婦も少なくないという。
 今回のコロナ禍では、出生数も減っている。厚生労働省が公表した速報値によると、2020年に生まれた子供の数は87万2683人だった。速報値は日本在住の外国人らを含んでおり、日本人に絞り込んで発表される確定数は、さらに減少するそうだ。100万人を割り込んだ16年以降、出生数は減少が続いている。予期せぬ妊娠は、想像に欠けた「想定外」かもしれないが、少子化が進む今だからこそ、追い詰められた状況に想像力を働かせ、社会は手を差し伸べることが求められている。(時)

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