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未来の小窓(41) 難しい演技

 地上波のテレビで、時代劇を目にすることが少なくなった。水戸黄門の「この紋どころが、目に入らぬか」や「鬼平犯科帳」の「神妙に縛につけ。火付盗賊改方、長谷川平蔵である」という台詞が何とも懐かしい。
 決め台詞とともに、時代劇で定番となっているのが殺陣だろう。いくら豪快に斬り合っても、主人公が負けることがないのがお決まりだ。斬る方ばかりに目が行きがちだが、斬られ役の巧みな演技が、時代劇を支えていると言っても良い。
 女優の樹木希林さんは著書「一切なりゆき」のなかで、「殺されるとか殺すとかの劇的な場面というのは滅多にないことだから想像でやってもリアリティがあるんだけど、<誰もがやること>が難しい」と書いている。「お茶を飲む」「水を汲む」といった日常の仕草で、短気な性格や底意地の悪さなどをどう演じるか、力量が問われるという。
 新型コロナウイルス対策で、緊急事態宣言が発令されていた10都府県のうち、福岡など6府県で、2月28日、宣言が解除された。「感染者も入院者数も一定程度減った。宣言の発令が長すぎると経済がおかしくなってしまう」というのが理由のようだが、油断できない状況に変わりはない。引き続き、飲食店の時短要請や外出自粛などが求められている。
 誰もがやっていた日常の風景は、いつになったら取り戻せるのか。マスク、手洗い、うがいの繰り返しが日常となってしまうと、マスク姿の演技は一層難しくなるに違いない。(時)
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