未来の小窓(21) 及第点
ニュースを見ながら、「せこい」という言葉が浮かんだ。新型コロナウイルスの感染拡大で需要が落ち込んだ飲食店を支援する「Go To イート」事業の話だ。グルメサイトを通じ、飲食店を利用した際にポイントが付与されるシステムだが、店での飲食を意図的に少なくし、支払額以上のポイントを受け取ろうとするケースが相次いでいるという。このため、政府は得られるポイント以上の支払いとなる飲食を求めるよう店に指示するそうだ。
コロナ禍で苦しむ飲食業界を助けようと始まった政策だが、「せこいことを恥じない」人たちは、制度の隙を突き、「俺は頭がいい」とでも思っているに違いない。原資が税金であることや手数料などを支払う飲食店に損害を与えていることに考えは及ばないのだろう。
成熟社会となり、どんな事業でも「満点」の政策は難しい時代になった。認可保育所などに希望しても入れない「待機児童」も施設の増加もあって減少しているようだが、育児休業の延長に必要な「落選通知」を得るために形だけ申し込むケースを、多くの自治体がカウントしなくなったのも一因という。
待機児童の解消にはさらに増設が必要だが、コロナ禍もあって,保育士を採用する説明会を開けていない自治体や事業者も少なくない。保育士を確保できなければ、建物ができても、園児の受け入れはできない。せこいことを恥じない人たちが増えているなかで、満点は難しいが、及第点が取れる政策が幼児教育の分野でも求められている。(時)
コロナ禍で苦しむ飲食業界を助けようと始まった政策だが、「せこいことを恥じない」人たちは、制度の隙を突き、「俺は頭がいい」とでも思っているに違いない。原資が税金であることや手数料などを支払う飲食店に損害を与えていることに考えは及ばないのだろう。
成熟社会となり、どんな事業でも「満点」の政策は難しい時代になった。認可保育所などに希望しても入れない「待機児童」も施設の増加もあって減少しているようだが、育児休業の延長に必要な「落選通知」を得るために形だけ申し込むケースを、多くの自治体がカウントしなくなったのも一因という。
待機児童の解消にはさらに増設が必要だが、コロナ禍もあって,保育士を採用する説明会を開けていない自治体や事業者も少なくない。保育士を確保できなければ、建物ができても、園児の受け入れはできない。せこいことを恥じない人たちが増えているなかで、満点は難しいが、及第点が取れる政策が幼児教育の分野でも求められている。(時)
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