未来の小窓(156) 放置山林
山村では人口が減少する一方、田舎では放置される山林が増えている。境界線も分からなくなって、相続することもできないという山林も少なくない。荒れた森では、倒木が道路をふさいだり、土砂崩れを起きたりする。その後始末をどうするのかも問題になるようだ。
47都道府県のうち、山林が占める割合が大分県が最も大きいと聞いた。放置山林の面積も日本一らしい。先日、県北部の国東市の山村を訪れた。伐採費用がなかなか捻出できず、鎮守の森を含めた山林がそのままになっているという。山村の所有者らから「伐採後、サクラを植えたらどうか」「整備し、キャンプ場にできないか」といったアイデアも挙がったが、「このままでも良い」という人もいた。「何もしないで10年先、20年先はどうするつもりか」と尋ねると、「家を継ぐ人もいないので、先のことを考えても仕方がない」と話していた。
相続を希望しない土地を国が引き取る「相続土地国庫帰属制度」が始まった。相続する資産のうち、山林だけを放棄することが可能になるが、建物があったり、境界線が明確でなかったりする土地は引き取らないという。隣接地と争いがないこと、敷地内に急勾配・崖の地形を含まないといった条件もあるそうだ。
国東で出会った山林の所有者の多くは70歳代だろう。都会に出ていった子供は都会で根をおろし、孫たちの故郷は国東とはならない。所有者はいずれも矍鑠としていたが、10年後には80歳代、20年後には、90歳代になる。地域で「負動産」をいつまで守ることができるのだろうか。(時)
47都道府県のうち、山林が占める割合が大分県が最も大きいと聞いた。放置山林の面積も日本一らしい。先日、県北部の国東市の山村を訪れた。伐採費用がなかなか捻出できず、鎮守の森を含めた山林がそのままになっているという。山村の所有者らから「伐採後、サクラを植えたらどうか」「整備し、キャンプ場にできないか」といったアイデアも挙がったが、「このままでも良い」という人もいた。「何もしないで10年先、20年先はどうするつもりか」と尋ねると、「家を継ぐ人もいないので、先のことを考えても仕方がない」と話していた。
相続を希望しない土地を国が引き取る「相続土地国庫帰属制度」が始まった。相続する資産のうち、山林だけを放棄することが可能になるが、建物があったり、境界線が明確でなかったりする土地は引き取らないという。隣接地と争いがないこと、敷地内に急勾配・崖の地形を含まないといった条件もあるそうだ。
国東で出会った山林の所有者の多くは70歳代だろう。都会に出ていった子供は都会で根をおろし、孫たちの故郷は国東とはならない。所有者はいずれも矍鑠としていたが、10年後には80歳代、20年後には、90歳代になる。地域で「負動産」をいつまで守ることができるのだろうか。(時)
スポンサーサイト