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未来の小窓(155) 100年時代

 戦国時代の1560年、織田信長は桶狭間の戦いで、今川義元に勝利した。ドラマや小説にもたびたび取り上げられている。敵の本陣に切り込むシーンより、戦いの前に信長が舞う幸若舞の方が印象に残る。「人間五十年、化天の内を比ぶれば、夢幻のごとくなり」の一節はあまりにも有名だろう。「人間五十年」は「にんげん」ではなく、「じんかん」と読み、人の世の50年の歳月も、化天に比べると、夢幻のように短いものという意味で、「寿命が50年」ということではないが、信長は享年49で、命を落としている。
 新生児の死亡者の減少や医療体制の充実などで、日本は世界屈指の長寿国となった。厚生労働省によると、2021年の日本人の平均寿命は男性が81・47歳、女性が87・57歳。新型コロナウイルス感染による死亡者の増加もあって、男性が前年より0・09歳、女性が0・14歳短くなったが、戦後まもなくのころに比べ、大きく伸びたことは間違いない。「人生100年時代」という言葉もよく耳にするようになった。
 先日の新聞記事で、100歳以上まで長生きしたいと望む人は約2割にとどまるとの調査結果が目に留まった。調査したのは、公益財団法人「日本ホスピス・緩和ケア研究振興財団」(大阪市)。希望しない理由(複数回答)は「家族やまわりの人に迷惑をかけたくない」が59%と最も多く、「体がだんだんつらくなると思う」(48・2%)、「経済的な不安がある」(36・7%)が続いたという。
 国内の百寿者(100歳以上)の人口は増えており、9万人を超える。健康上の問題で、日常生活が制限されることなく生活できる健康寿命と平均寿命との差が広がれば、医療費や介護費の増加も懸念される。長生きがリスクになる時代になってはいけない。(時)

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