未来の小窓(146) 座席の回転
JRの特急列車で博多から大分に向かう。小倉駅で先頭車両と最後尾の車両が入れ替わるので、到着する前に、車内放送が流れ、乗客が座席を回す。年配の人が早めに取りかかるのに対し、最近、駅に到着してもスマートフォンを手にして動こうとしない若者が目につく。とりわけ、今月は卒業旅行のシーズンなので、列車に乗り慣れていない若者が少なくないのだろうが、そもそも車内放送が耳に入っていないようだ。車内放送の「座席の回転に協力してください」という意味もよく理解できないのかもしれない。
車内放送では、トーンを上げた独特のしゃべり方をする車掌が多い。昔の放送機器は雑音が入りやすく、低音が通りにくかったためらしい。バルセロナの地下鉄には、男女の会話形式の車内放送を導入している路線もあるそうだ。いずれにしろ、乗客がきちんと意味が分からなくては何にもならない。
大学で若者と接していると、文章の意味や内容が理解出来ない「機能性非識字」ではないかと思われる学生が目に付く。簡単な読み書きに関しては行うことができ、一定水準以上の文字・文章に対する適切な発音・音読もできるが、その内容を正しく理解することができないという症状だ。「A4版の用紙に貼って」「マッチを擦って」がよく分からない若者もいると聞く。
全国大学生活協同組合連合会の調査によると、大学生の多くが毎日三時間近くスマートフォンを利用している。平均すると、利用時間が長いのは女性だ。座席に向かい合っていても、互いにスマホをいじっている姿を目にする。せっかくの卒業旅行なのに、車窓の風景にも、車内の光景にも関心がないのは、何とももったいない。(時)
車内放送では、トーンを上げた独特のしゃべり方をする車掌が多い。昔の放送機器は雑音が入りやすく、低音が通りにくかったためらしい。バルセロナの地下鉄には、男女の会話形式の車内放送を導入している路線もあるそうだ。いずれにしろ、乗客がきちんと意味が分からなくては何にもならない。
大学で若者と接していると、文章の意味や内容が理解出来ない「機能性非識字」ではないかと思われる学生が目に付く。簡単な読み書きに関しては行うことができ、一定水準以上の文字・文章に対する適切な発音・音読もできるが、その内容を正しく理解することができないという症状だ。「A4版の用紙に貼って」「マッチを擦って」がよく分からない若者もいると聞く。
全国大学生活協同組合連合会の調査によると、大学生の多くが毎日三時間近くスマートフォンを利用している。平均すると、利用時間が長いのは女性だ。座席に向かい合っていても、互いにスマホをいじっている姿を目にする。せっかくの卒業旅行なのに、車窓の風景にも、車内の光景にも関心がないのは、何とももったいない。(時)
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