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未来の小窓(144) 我慢

 日本の歴史を見直す新しい説が次々と発表されている。織田信長が奇襲で、今川義元を破ったという桶狭間の戦いもその一つだろう。どうやら計画的な襲撃だったようだが、出陣前に幸若舞を舞ったという有名なできごともなかったのだろうか。室町時代に流行した幸若舞は、能や歌舞伎の原型と言われ、福岡県みやま市瀬高町に現存し、重要無形民俗文化財に指定されている。「人間五十年、下天の内をくらぶれば、夢幻の如くなり」の一節が思い浮かぶ人も多かろう。
 信長の時代に比べると、日本の平均寿命は戦後、大幅に伸びた。厚生労働省によると、日本人の平均寿命は、男性は81・47歳、女性は87・57歳(2022年簡易生命表)。前年より、男性は0・09歳、女性は0・14歳も下回ったものの、世界有数の長寿国であることは間違いない。がんや交通事故死は減ったが、新型コロナウイルス感染症の広がりが影響したそうだ。男女差は少し縮まったようだが、依然として、女性の方が長生きだ。出産という大きな役目を持つ女性の方が、生命力が強いとされる。
 心筋梗塞の治療を考えると、痛みに強いことが女性にマイナスに働いていることが、オープンしたばかりの「すのこ体育館」(福岡市中央区)で開催された健康講話で披露された。指摘したのは、桜十字病院病院(福岡市)の山本雄祐院長(循環器内科)。女性の方が痛みを我慢しがちなので、死亡率が高くなっているそうだ。
 我慢を美徳とする日本人は、なかなか病院を受診しない。製薬会社のアンケートで、痛みを感じたときに最初にとる対処法については、「何もしない(我慢する)」が男性24.0%に対し、女性は18.2%。対処法として最も多かったのは男女共に「塗り薬・貼り薬を使用する」で、「病院に行く」と答えた人は男性18.5%、女性16.6%だった。「痛み止めを飲む」で女性15.1%、男性9.3%だった。女性のほうが男性よりたくましいこと言えないだろうか。まったく同じケアを受けていても、新生児の男児は女児より死亡する危険性が10%高いという。
 心身の不調を感じた時、どこまで我慢すれば良いのか。難しい問題なのかもしれない。(時)
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