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未来の小窓(142) 紙おむつ

 室町時代から宮中や院に仕える女性たちが使い始めたのが女房言葉だ。今では多くの家庭で使われている言葉も少なくない。「おでん」や「しゃもじ」は、その代表だろう。赤ちゃんの「おむつ」も女房言葉に由来することを最近、知った。
 インターネットで検索すると、赤ちゃんを包む 「むつき」には、「大」「小」の二つがあった。「大きいむつき」で赤子の体全体をくるみ、排便を始末するため、股間にあてた「小さいむつき」は「お湿(しめ)し」とも呼ばれた。その後、体全体をくるむ習慣はなくなり、「おむつ」という言葉だけが残り、「おしめ」と混同されて使われるようになったという。
 厚労省は今年1月、自治体に対し、使用済みおむつの処分を施設でするように推奨する通知を出した。併せて、保管用のごみ箱購入費用への補助制度があることも周知した。排泄物を長時間保管し、その後、保護者が持ち運ぶことが、衛生面からも問題になっており、園内での処分を望む声が出ていたそうだ。「保護者の持ち帰り」としてきた自治体は通知を受け、対応を急いでいる。
 おむつは持ち帰れば家庭ごみだが、園内で処分すると事業ごみになる。処分費用を賄うには、新たな予算措置が必要になるため、「保護者に負担を求めることも含めて検討したい」という自治体もあると聞く。
 「使って捨てる」紙おむつは、布オムツよりお金がかかる。石油から作られているので、肌にもやさしいとは言えないが、手軽なことは間違いない。「施設内で処分」の新聞記事を読みながら、保育士になんでもお任せの風潮がさらに強まるのではないか、との思いもチラリと頭をよぎった。(時)
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