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未来の小窓(137) 偶然

 グループで何かの順番を決める場合、じゃんけんをする日本人が多い。コインや阿弥陀くじという手もあるが、道具を用意する必要がなく、短時間で決着できるのが良いだろう。いわゆる「三すくみ」の関係になる遊戯は、東アジアから東南アジアにかけてみられる。
 一方、ヨーロッパ人は自分が何番目にやりたいかは、明確に主張するそうだ。「ロック」「ペーパー」「シザース」の偶然に任せるべきではなく、本格的に議論を始めるらしい。NHKで、外国人とのトーク番組の司会者、鴻上尚史子さんの著書「世間ってなんだ」で紹介している。互いの意見が対立すれば、弁舌の立つ子、説得力のある子、腕力で威圧する子が勝つという文化を、幼いことから経験するわけで、運動会で、同じ速さの子どもたちで競わせたり、手をつないでゴールさせたりする「平等大好き」の人たちには、違和感があるかもしれない。
 偶然のようなじゃんけんでも勝ち方があるようだ。桜美林大の芳沢光雄教授が、学生を集め、じゃんけんをさせたところ、最も多いのは、グーで35.0%、パーは33.3%、チョキは31・7%だった。つまり、最初にパーを出せば、勝つ確率が上がる。2回連続でじゃんけんをした10833回のうち、同じ手を出す確率は、3分の1を下回る22.8%に留まった。つまり、「パー」→「グー」→「チョキ」の順番に出せば、勝つ確率が高くなるという結論だった。もちろん、相手がこの理屈を知っていれば、勝つことは難しくなる。
 偶然にばかり頼るわけにはいかないのが、今の日本だろう。物価は上がる、賃金はなかなか上がらない。先行きは不透明といわざるを得ない。憲法前文には「平和を愛する諸国民の公正と信義を信頼して」とあるが、平和を愛する諸国は見当たらず、取り巻く情勢は厳しい。じゃんけんで決まるような生半可な状況ではないのは確実だろう。(時)
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