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未来の小窓(136) 異次元

 藤子・F・不二雄の漫画「ドラえもん」は、22世紀からやってきたネコ型ロボットとご先祖に当たる「のび太」の日常を描く。人気を支えているのは、いろいろな「ひみつ道具」だろう。行きたいところに行ける「どこでもドア」、頭に付けると空を飛べる「タケコプター」はおなじみだ。ひみつ道具を収納しているのは四次元ポケット。ロボット学校の校長からプレゼントされたもので、ドラえもんの腹部から取り外すこともできる。使いこなせるかどうかは本人の技量次第で、しずかちゃんは上手に使いこなしたが、のび太が使うと、失敗続きとなる。
 次元は空間の広がりをあらわす一つの指標と定義される。現実の世界は3次元と教わったが、4次元となると、今一つピンと来ない。異次元ともなれば、いよいよ分からない。
 岸田首相は年頭の記者会見で、「異次元の少子化対策」を今年の優先課題の一つとした。児童手当などの経済的支援の強化、学童保育や病児保育、産後ケアなどの支援拡充、働き方改革の推進――を3本柱として掲げた。コロナ禍で、婚姻数が減ったこともあって、昨年の出生数は、初めて80万人を割る見通しとなった。想定よりも早い。経済の低迷、人口の減少で、社会には重い閉塞感が漂う。出生数の減少に歯止めをかけなければ、社会の活力まで失われて、医療や年金、介護など社会保障制度の存続も危ぶまれる。
 「異次元」というからには、岸田首相には、子どものいる家庭の税を減免したり、出産に伴う医療費を無料にしたりといった思い切った政策を期待したい。東京都も首相会見と同じ日、18歳以下の子どもがいる都内の家庭に、子ども1人あたり月5000円程度を給付する方針を明らかにしている。所得制限を設けず、2023年度の給付開始を目指すという。もう、子どのいない家庭との「公平」にこだわっているわけにはいかない。(時)

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