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未来の小窓(131) 日本酒

 「次のお酒はどうしましょうか」。福岡市内で開かれたパーティで、乾杯が終わると、外国人と思われるコンパニオンから声をかけられた。「日本酒」と告げると、「冷や燗か」と聞かれた。「どんな銘柄を用意しているのか」と尋ねると、「しろ」と「黒霧島」と答えた。どうやら清酒と焼酎の区別ができなかったようだ。銘柄という言葉も難しかったのかもしれない。
 少子高齢化が進むなか、生産年齢人口(15~64歳)は1995年をピークに減少しており、2050年には、今より20%以上少ない5275万人になる見込みだ。働く人が減れば、それだけ国内の需要も減少することになり、景気への影響も懸念される。人手不足を補うのは、外国人労働者だろう。コンビニエンスストアや介護、建築の現場だけでなく、さまざまな職場で外国人が働く姿がみられるようになるかもしれない。
 厚生労働省が公表している「外国人雇用状況」によると、2020年10月末現在、国内の外国人労働者数は170万人を超える。国籍をみると、中国、ベトナム、フィリピンなどアジア各国から来日した外国人労働者が全体の7割近くを占める。
 日本語には、漢字のほか、平仮名、片仮名がある。独特の言い回しや慣用句もある。まったく漢字と縁のない国からの留学生が日本語を覚えるのがより難しいと聞いたことがある。医療現場でも「飲酒の習慣があるか」を「お酒を飲むか」、「結果の方は後日、電話で」を「明日には結果が出ます。電話をします」と言い換えたりするようになっているという。
 外国人労働者が増えていけば、交わされる日本語も変わらざるを得ないのだろう。(時)

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