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未来の小窓(99) レーシトが品薄

 駄菓子屋といえば、ブリキの枠にガラスが埋め込まれた容器、茶色の馬糞紙を連想してしまうのは昭和世代だろう。馬糞紙はわらなどを原料としたボール紙。名前の由来はその色からなのはいうまでもない。今のように、一つひとつに包む「個別包装」は考えられない時代で、量り売りの菓子を包むために使われていた。支払いももちろん現金だけだった。その後、スーパーにはレジが登場し、馬糞紙も目にすることもなくなった。
 ウクライナに侵攻したロシアに対し、欧米などの経済制裁が続くが、スーパーでは、生活必需品だけでなく、レジのレシートも品薄になっている。14日午後、福岡市内のホテルで開かれた講演会で、中村逸郎・筑波学院大教授が話していた。ソ連の崩壊後、ロシアでは欧州の機器が流入し、スーパーではセルフレジが浸透しているが、今回の経済制裁で、レシートの用紙も入手できなくなったという。
 レシートがなくても、現金でやりとりすれば済む話かもしれないが、少ない店員ではうまく対応できないことは容易に想像できる。セルフレジに慣れた消費者も戸惑うに違いない。商品が入荷せず、先行きも見通せないなか、ロシアのスーパー経営者も営業をいつまで続けるか、頭が痛いたいのではないか。
 セルフレジは、国内でも目にするようになってきた。店員の負担を減らし、省力化につながるそうだ。生産性向上に切り札ともいわれるが、万引きと見られないかという不安、会計に手間取り、行列に並ぶ人から視線を集めてしまう恐れなどを抱く消費者もいる。「セルフレジで、焦ってしまい、後ろの客から舌打ちされたことがある」という人の文章を目にしたこともある。
 グローバル社会といわれて久しいが、ロシアの「レシート問題」は、便利になればなるほど、どこかで歯車が狂うと、現場は混乱することを教えてくれる。近い将来、なんでもカード決済の時代になるのだろうが、ちょっとした狂いで、カードが使えなくなることはないのだろうか。(時)
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