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未来の小窓(61) 五輪開幕

 第32回夏季五輪東京大会が23日、開幕した。新型コロナウイルスの影響で1年延期となった大会には、205か国・地域、難民選手団の選手約1万1000人が参加する。新聞やテレビは、例によって盛り上げようと懸命で、やたらとはしゃぐタレントの笑い声も気になる。
 五輪大好きで知られる、全国紙の編集委員は「選手の勇気に敬意を」と書いていたが、違和感が拭えない。「平和の祭典」と強調するが、核ミサイルの開発に余念のない北朝鮮は参加を取りやめた。紛争や内戦で揺れる地域の代表は今回も難民選手団としての出場を余儀なくされている。感染拡大の懸念を表明していた天皇陛下は、開会宣言で、「祝い」ではなく、「記念」という言葉を使って、挨拶した。入場行進した選手の多くがマスク姿だった。
 国民性かもしれないが、日本人ほど、五輪とノーベル賞に熱狂する国はない、と聞いたことがある。日本が初めてオリンピックに参加したのは、1912年の第5回ストックホルム大会。参加したのは2人で、メダルにはほど遠かった。
近年は世界に伍する力をつけてきており、多くのメダルを獲得しているが、1位の米国と比べれば、5分の1以下にすぎない。かの国では、メダリストの希少性があまりないことが分かる。一方、ノーベル賞は、日本国籍の受賞者が25人なのに、1位の米国は400人近い。
 この熱狂はパラリンピックの閉幕まで、続くかもしれないが、本当に敬意を払う相手は、感染者の治療に当たる医療関係者であり、売り上げの減少に危機感を募らせる飲食店関係者ではないか。高齢者の介護や保育園児の世話を担う人々ではないだろうか。(時)
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