fc2ブログ

未来の小窓(58) 日本の人口

 日本の歴史は、神武天皇の即位から始まると言われていた時代があった。日本書記などの記述に基づき、皇紀と呼ばれた。元年は西暦前660年とされ、皇紀2600年にあたる1940年には、奉祝の国民歌も作られた。歌いだしは「金鵄輝く日本の」で、一番の終わりは「ああ一億の 胸はなる」だったが、終戦の1945年の人口は約7215万人だったという。
 戦後の経済成長に歩調を合わせるように、人口は増え続けた。9000万人を超えたのは1955年。1億人を突破したのは1970年だった。「神国日本」のすばらしさを強調したかったのか、人口も誇張されていたことが分かる。
 総務省が2020年国勢調査の速報値を発表した。昨年10月1日時点の総人口は1億2622万6568人(男性6136万14人、女性6486万6554人)。前回調査(15年)と比べ、86万8177人(0・7%)減少した。都道府県別にみると、首都圏の人口増が目立ち、38道府県で人口が減った。
 生まれた人より死亡した人の方が多い自然減も続いている。2020年の出生数が約84万人だったのに対し、死者は138万人に超える。子どもの数が減ることは、人口減がさらに進むことを示す。ランドセルや机といった子ども関係の産業、保育園や幼稚園の経営にも脅かす。今のような進学率だと、1学年の学生数は10万人以上も減るため、閉校に追い込まれる大学も少なくないだろう。
 トヨタやソニーといった大企業の名前をよく耳にするためか、「貿易立国」と思っている人もいるが、日本のGDPの8割以上を「内需」が占めている。このため、人口の減少は経済の縮小につながる。新型コロナウイルスの問題も深刻だが。日本の最大の課題が「人口減」であることは間違いない。(時)、
スポンサーサイト



コメントの投稿

管理者にだけ表示を許可する

プロフィール

すこやか母子未来ネットワーク事務局

Author:すこやか母子未来ネットワーク事務局
FC2ブログへようこそ!

最新記事
最新コメント
月別アーカイブ
カテゴリ
検索フォーム
RSSリンクの表示
リンク
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード
QR