未来の小窓(50) 華族
新聞に入っていたチラシが目に止まった。近所の医師が猫を探しており、白い大きな猫の写真が添えられていた。がっしりとした体型、長めの胴、長い毛並み。メインクーンのオスで、11歳、「大切な家族」とあった。見つけた人は「謝礼」を差し上げるとも書かれていた。インターネットでメインクーンを検索すると、賢く、遊び好きの猫とある。価格は10万から20万円程度。 血統書付きだと、30万円を超えるそうだ。
ペットを家族と考える人が増えている。量販店のペットコーナーをのぞくと、5桁や6桁の値札が付いている。主がいないゲージには、「売却済み」ではなく、「あたらしい家族が決まりました」という札が下げられている。外出時でも、自宅で「留守番」をしているペットの様子を携帯電話で確認できる監視システムの利用者も増えていると聞く。
単身世帯が増えていることもあって、一世帯あたりの人数は減少が続いている。厚生労働省の国民生活基礎調査によると、1950年代には5人近くいた世帯人数は、1961年には4人を切り、2019年には2・34人になっている。一人暮らしのお年寄りも増え続けている。
その一方で、子どもの数は減り続けている。 総務省が「こどもの日」に合わせ、15歳未満の子どもの推計人口(4月1日現在)を発表したが、前年より19万人少ない1493万人だった。1982年から40年連続の減少で、核家族といわれていたのも遠い昔となった感がある。家庭から子どもがいなくなったこともあって、子ども代わりに、ペットを飼うようになるのだろうか。
コロナ禍もあって、人同士との触れ合いは減っているのは間違いない。夜泣きせず、どんな時にも無条件に受け入れてくれるペットが心の拠り所になっているのかもしれないが、人との交わりを避けて、ペットだけが家族と考える人が増えているとしたら、少しばかり寂しい。(時)
ペットを家族と考える人が増えている。量販店のペットコーナーをのぞくと、5桁や6桁の値札が付いている。主がいないゲージには、「売却済み」ではなく、「あたらしい家族が決まりました」という札が下げられている。外出時でも、自宅で「留守番」をしているペットの様子を携帯電話で確認できる監視システムの利用者も増えていると聞く。
単身世帯が増えていることもあって、一世帯あたりの人数は減少が続いている。厚生労働省の国民生活基礎調査によると、1950年代には5人近くいた世帯人数は、1961年には4人を切り、2019年には2・34人になっている。一人暮らしのお年寄りも増え続けている。
その一方で、子どもの数は減り続けている。 総務省が「こどもの日」に合わせ、15歳未満の子どもの推計人口(4月1日現在)を発表したが、前年より19万人少ない1493万人だった。1982年から40年連続の減少で、核家族といわれていたのも遠い昔となった感がある。家庭から子どもがいなくなったこともあって、子ども代わりに、ペットを飼うようになるのだろうか。
コロナ禍もあって、人同士との触れ合いは減っているのは間違いない。夜泣きせず、どんな時にも無条件に受け入れてくれるペットが心の拠り所になっているのかもしれないが、人との交わりを避けて、ペットだけが家族と考える人が増えているとしたら、少しばかり寂しい。(時)
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