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未来の小窓(160) でもしか先生

 無気力で、やる気のない教員を「でもしか先生」と呼んだ時代があった。高度成長時代、他にやりたい仕事がないから「先生でもやろう」、特別な才能がないから「先生にしかなれない」という教員への蔑称だった。本来の業務である授業を二の次にし、勤評闘争、安保闘争などの組合活動に明け暮れていた「デモしかしない先生」から転じた言葉らしい。
 当時、教員の給与も低く、自宅で塾を開いたり、放課後に予備校でアルバイトをしたりする先生もいた。このため、時間外と休日の手当を支給する代わりに、月額4%相当の「教職調整額」の支給する特別措置法、基本給や諸手当を引き上げる教員人材確保法が制定された。時代が下がり、教員採用枠も小さくなって、「でもしか先生」が使われることはほとんどなくなった。
 特別措置法の根拠は、文部省(現・文部科学省)の「勤務状況調査」(1966年)だった。当時の残業時間は、月8時間程度だったが、現在では30時間を超えていると聞く。この30時間には、土日のクラブ付き添い等の時間は含まれておらず、土日の出勤を考えると、実質的超過勤務時間は月50~60時間は軽く超えているという。
 日本の教員は「世界一忙しい」といわれ、教員のなり手不足が深刻化している。2022年度採用の小学校教員の倍率は過去最低。中学校や高校も落ち込んでいる。文部科学省は、自治体ごとに行う教員採用試験について、日程を1か月前倒しし、来年6月16日を共通の実施日として示す方針を固めた。民間企業並みの採用日程で、人材確保を図ろうという試みらしい。
 「でもしか先生」も困るが、長時間労働や保護者や対応に追われ、心も体もくたびれてしまった先生も困る。今こそ、教育現場の投資を考えなければならない。(時)
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未来の小窓(159) デジタル化

 毎週日曜日の午前、NHKで放送される将棋番組。新聞のテレビ欄で、藤井―屋敷戦があることに気付いた。藤井聡・名人竜王と勘違いしてしまい、あわててチャンネルを合わせたところ、同じ藤井でも、対居飛車穴熊の「藤井システム」で知られる藤井猛9段だった。名前が違っても早とちりしてしまうのだから、ヒューマンエラーはなくならないことが分かる。
 政府が躍起になって普及に力を入れているマイナンバーカードを巡るトラブルが相次いでいる。コンビニの証明書交付サービスでは、利用者の急増で、システムが不具合が生じた。公金受取口座では、他人名義の口座でも登録できてしまう備を把握しながら、デジタル庁内で情報共有できずに対応が遅れた。本人名義で口座を登録するはずなのに、家族名義での登録は10万件を超える。活用拡大を目指し、関連法も成立、政府は従来の保険証を廃止する方針を崩していないが、不安を覚える国民も少なくない。
  「国民の不安」を盛り上げることにメディアは懸命だが、家族名義での登録は、親の不注意ではないだろうか。入力ミスの要因の一つは、流行りのキラキラネームも関係しているのではないか。「プライバシーが侵害される」「個人情報が国に把握される」などの懸念もあるが、今まで税金逃れをしていた自営業者らの所得を補足したり、複数の医療機関をはしご、受け取った薬をインターネットで販売したりしている輩をあぶりだすメリットもあるだろう。
 これだけ、インターネットが普及するなか、「デジタル化に背を向けることはできない」ことは、素人でも分かる。使いやすく、間違いのないマイナンバーにするか、知恵を絞っていくしかないだろう。(時)

未来の小窓(158) 進化するAI

 AI (人工知能)の進化が目覚ましい。専門家会議で初めて、AIという言葉が登場したのが1956年。97年にはチェスの世界チャンピオンが敗れた。2016年に「アルファ碁」が世界のトップ棋士に勝利した。囲碁や将棋の将来に、不安を抱いた棋士もいたかもしれないが、AIを使った研究の結果、これまでの定石や定跡が覆ったケースもあった。 
 2022年には、どんな質問にも次々と回答してくれる対話型AI(人工知能)サービス「チャットGPT」も登場した。「著作権を侵害するのでないか」「個人情報はどこまで守られるのか」などの懸念も広がっている。就職情報会社の調査では、来春卒業予定の大学生や大学院生のうち、就職活動で「チャットGPT」などの生成AIを利用したことがある学生が18・4%にのぼっているそうだ。志望企業に提出するエントリーシート(ES)作成や面接対策に活用する例も多いと聞く。
 人手不足もあって、就職市場は「売り手優位」とはいえ、面接の場では、得意のスマートフォンを操作しながら、話すわけにはいかないだろう。使い慣れていない「御社」や「弊社」といった言葉に困惑する就活生もいるかもしれない。
 「サピエンス全史」で有名なイスラエルの歴史家、ユヴァル・ノアは、人類を脅かす3つの危機の一つに、AIやIT技術を駆使した「破壊的な技術革新」を挙げる。ほかの二つは、核戦争と温暖化などの環境破壊だ。
 万能のように思えるチャットGPTだが、AIはデータなしでは何も分からない。導き出した答えの過程も分からない。学生一人ひとりの状況に合わせたエントリーシートを提供するのは難しいだろう。在学する大学や所属するサークルの名前だけを入力すると、同じ文面になるのだろうか。何事もAI頼みでは、前に進まないような気がするのだが、どうだろうか。(時)

未来の小窓(157) 送料無料

 いつのころからだろうか。テレビで通販番組が占有するようになったのは。とりわけ、早朝や深夜はやたらと目立つ。通販は「ショッピング」と言い換え、「ここでしか買えません」「今なら半額です」などと声高に訴える。放映料金やタレントの出演料を考えると、「赤字になってしまう」と訴える「社長」の言葉は嘘としか思えない。随分と利幅の大きい商売に違いない。
 「送料無料」「オペレーターを増やしています」と言われ、衝動買いした人も多かろう。日本経済新聞(6月3日付け)が、政府が通販会社に「送料無料」の変更を求めることを報じていた。少し考えれば分かることだが、送料無料は虚偽表示だ。ただで運んでくれる運送業者はいない。販売価格の一部で充当しているのに、どうして「送料無料」というのか。
 運送業界は大変な人手不足に悩まされている。ドライバーの高齢化も指摘されている。トラック運転手に時間外労働の上限規制が24年4月から適用されるため、運転手が働ける時間が短くなる。「2024年問題」と言われ、荷物の輸送能力が急低下する恐れがある。宅配だけでなく、製造から小売りを結ぶ物流網の維持も危ぶまれている。暮らしや経済への影響は計り知れない。「30年には全国の約35%の荷物が運べなくなる」という試算を公表した研究機関もある。
 新聞と違い、国民の財産である貴重な電波を使用していることから、テレビは総務省の監督下にある。放送法でも「事実を曲げないで報道すること」が求められている。BPO(放送倫理・番組向上機構)はせめて「送料は当社で負担します」と指導すべきではないのか。(時)
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