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未来の小窓(147) 韓国人観光客

 高速バスを利用し、福岡市から大分県・由布市に向かった。九州屈指の人気観光地、由布市に向かう車内は、韓国人であふれていた。バスの案内などを行う女性が、英語で話しかけてきた。マスクをしていたためか、どうやら韓国人と思われたらしい。「日本人ですから、日本語で大丈夫ですよ」と伝えた。
 中国からの渡航者を対象とした水際対策は緩和されたものの、中国は日本への団体旅行制限を続けている。中国人観光客の回復はまだ見通せないが、韓国人観光客は急速に増加しているようだ。政府観光局(JNTO)の統計では、今年1月の全訪日客の3人に1人が韓国人。2位の台湾を2倍以上突き放しての首位だった。この増加傾向は2月以降も続いている。
 従軍慰安婦、徴用工、竹島などの問題をめぐって、日韓の関係は良好とはいえない。日本製品の不買運動も2019年夏から続いている。反日の運動も下火になっているのかだろうか。最近では韓国国内で公開された日本映画が空前のヒットを飛ばしている。SNSでも「日本に行きたい」と、堂々と訴える書き込みが多くみられるという。
 経営コンサルタントの大前研一氏は、著書「第4の波」のなかで、20世紀型の経済は限界を迎えていることを指摘したうえで、「21世紀型経済は国境内で完結しない」としている。治安が良く、物価も安い日本は、外国からの観光客にとって、魅力的な行き先であるのは間違いない。今後、韓国人だけでなく、中国や東南アジアからの観光局も増えるだろう。英語だけでなく、イスラム教など、覚えることが多くなるかもしれない。(時)
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未来の小窓(146) 座席の回転

 JRの特急列車で博多から大分に向かう。小倉駅で先頭車両と最後尾の車両が入れ替わるので、到着する前に、車内放送が流れ、乗客が座席を回す。年配の人が早めに取りかかるのに対し、最近、駅に到着してもスマートフォンを手にして動こうとしない若者が目につく。とりわけ、今月は卒業旅行のシーズンなので、列車に乗り慣れていない若者が少なくないのだろうが、そもそも車内放送が耳に入っていないようだ。車内放送の「座席の回転に協力してください」という意味もよく理解できないのかもしれない。
 車内放送では、トーンを上げた独特のしゃべり方をする車掌が多い。昔の放送機器は雑音が入りやすく、低音が通りにくかったためらしい。バルセロナの地下鉄には、男女の会話形式の車内放送を導入している路線もあるそうだ。いずれにしろ、乗客がきちんと意味が分からなくては何にもならない。
 大学で若者と接していると、文章の意味や内容が理解出来ない「機能性非識字」ではないかと思われる学生が目に付く。簡単な読み書きに関しては行うことができ、一定水準以上の文字・文章に対する適切な発音・音読もできるが、その内容を正しく理解することができないという症状だ。「A4版の用紙に貼って」「マッチを擦って」がよく分からない若者もいると聞く。
 全国大学生活協同組合連合会の調査によると、大学生の多くが毎日三時間近くスマートフォンを利用している。平均すると、利用時間が長いのは女性だ。座席に向かい合っていても、互いにスマホをいじっている姿を目にする。せっかくの卒業旅行なのに、車窓の風景にも、車内の光景にも関心がないのは、何とももったいない。(時)

未来の小窓(145) 由布市議会

 大分県由布市は大分県のほぼ中央に位置する。由布院温泉の知名度は抜群で、人気の観光地になっているが、北部地域が大分市のベッドタウンになっていることはあまり知られていない。
 先日、大分県由布市議会を傍聴した。一般質問で、由布市内の子どもたちが大分市の保育施設に通園していることが取り上げられていた。その数は100人を超えているそうだ。なるほど、共働きの家庭にとって、地元の保育施設よりも、職場に近い幼稚園、保育園に「お迎え」に行き、そのまま自宅に連れ帰った方が便利なのだろう。由布市の出生数はここ10年近く、200人台が続いており、市内の保育施設が存続を危ぶむ声も上がっていると聞いた。
 全国的に少子化が進む。厚生労働省の速報値によると、2022年の出生数は過去最少の79万9728人。統計を取り始めた1899年以降、初めて80万人を割った。日本は諸外国に比べ、婚外子が少ない。コロナ禍で、結婚や出産を先送りしたり、控えたりしたことが出生数の減少につながったという。
 2022年に生まれた子供たちは、保育園や幼稚園を経て、6歳で小学校の門をくぐる。18年後に大学受験を迎える。保育施設だけでなく、廃校に追いこまれる教育機関は相次ぐことは避けられない。岸田文雄首相は緊急事態として、「異次元の少子化対策」を掲げるが、その具体策は見えない。子育て予算を倍増するというがその財源はどうするのだろうか。そもそも金さえもらえば、若者たちは結婚して、子供を産むのだろうか。
 由布市内では、定員割れが起きている保育施設もある。少子化の時代、市町村ごとに保育行政を考えることも限界を迎えているのかもしれない。(時)

未来の小窓(144) 我慢

 日本の歴史を見直す新しい説が次々と発表されている。織田信長が奇襲で、今川義元を破ったという桶狭間の戦いもその一つだろう。どうやら計画的な襲撃だったようだが、出陣前に幸若舞を舞ったという有名なできごともなかったのだろうか。室町時代に流行した幸若舞は、能や歌舞伎の原型と言われ、福岡県みやま市瀬高町に現存し、重要無形民俗文化財に指定されている。「人間五十年、下天の内をくらぶれば、夢幻の如くなり」の一節が思い浮かぶ人も多かろう。
 信長の時代に比べると、日本の平均寿命は戦後、大幅に伸びた。厚生労働省によると、日本人の平均寿命は、男性は81・47歳、女性は87・57歳(2022年簡易生命表)。前年より、男性は0・09歳、女性は0・14歳も下回ったものの、世界有数の長寿国であることは間違いない。がんや交通事故死は減ったが、新型コロナウイルス感染症の広がりが影響したそうだ。男女差は少し縮まったようだが、依然として、女性の方が長生きだ。出産という大きな役目を持つ女性の方が、生命力が強いとされる。
 心筋梗塞の治療を考えると、痛みに強いことが女性にマイナスに働いていることが、オープンしたばかりの「すのこ体育館」(福岡市中央区)で開催された健康講話で披露された。指摘したのは、桜十字病院病院(福岡市)の山本雄祐院長(循環器内科)。女性の方が痛みを我慢しがちなので、死亡率が高くなっているそうだ。
 我慢を美徳とする日本人は、なかなか病院を受診しない。製薬会社のアンケートで、痛みを感じたときに最初にとる対処法については、「何もしない(我慢する)」が男性24.0%に対し、女性は18.2%。対処法として最も多かったのは男女共に「塗り薬・貼り薬を使用する」で、「病院に行く」と答えた人は男性18.5%、女性16.6%だった。「痛み止めを飲む」で女性15.1%、男性9.3%だった。女性のほうが男性よりたくましいこと言えないだろうか。まったく同じケアを受けていても、新生児の男児は女児より死亡する危険性が10%高いという。
 心身の不調を感じた時、どこまで我慢すれば良いのか。難しい問題なのかもしれない。(時)
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