未来の小窓(70) 公平と平等
ひところ、運動会の徒競走で、子どもたちが手をつないで一緒にゴールすることが話題になった。運動ができない子供の親が「ビリになるのがかわいそう」と、学校に訴えたのがきっかけらしいが、本当のところはどうだろう。
徒競走は、公平と平等を考える際、よく引き合いに出される。足の速さにはそれぞれ差があるのに、スタートラインが同じなのは公平なのか。足の速さを考えて、一緒にゴールできるように走り出す位置をずらすのは「結果の平等」かもしれないが、本当の平等になるのか。平等と言うが、そもそも人間は生まれた時から不平等ではないのか。裕福な家庭に生まれた人、そうではない人では、その後の人生に大きく影響するのは間違いない。
近年は、男女間の不平等も大きな問題となっている。その一つが男女別に定員を設け、募集していた都立高校入試だろう。男女別の定員を設けていた高校のうち、半数以上で女子の方が、合格ラインが高かったことから、批判が相次ぎ、都教委は段階的に格差を解消していくことを決めた。「都立高に女子が流れ、女子校が多い私立高の経営に影響が出る」「男子の進学の受け皿が不足するおそれがある」などを理由に、完全に格差が解消される時期は残念ながら明示していない。
男女間の格差を示すジェンダーギャップ指数をみると、スコアが良いのは、北欧諸国。読み書き能力や初等教育ではあまり格差がない日本は、政治や経済の分野で格差があまりにも大きい。雇用や賃金の面での開きも大きい。
格差解消は急務なのは言うまでもないが、ただでさえ、女子の成績が良いので、男女合同定員になれば、女子が多い高校が増えるような気がする。こんな余計な心配をするのも、ジェンダー平等に反するのかもしれない。(時)
徒競走は、公平と平等を考える際、よく引き合いに出される。足の速さにはそれぞれ差があるのに、スタートラインが同じなのは公平なのか。足の速さを考えて、一緒にゴールできるように走り出す位置をずらすのは「結果の平等」かもしれないが、本当の平等になるのか。平等と言うが、そもそも人間は生まれた時から不平等ではないのか。裕福な家庭に生まれた人、そうではない人では、その後の人生に大きく影響するのは間違いない。
近年は、男女間の不平等も大きな問題となっている。その一つが男女別に定員を設け、募集していた都立高校入試だろう。男女別の定員を設けていた高校のうち、半数以上で女子の方が、合格ラインが高かったことから、批判が相次ぎ、都教委は段階的に格差を解消していくことを決めた。「都立高に女子が流れ、女子校が多い私立高の経営に影響が出る」「男子の進学の受け皿が不足するおそれがある」などを理由に、完全に格差が解消される時期は残念ながら明示していない。
男女間の格差を示すジェンダーギャップ指数をみると、スコアが良いのは、北欧諸国。読み書き能力や初等教育ではあまり格差がない日本は、政治や経済の分野で格差があまりにも大きい。雇用や賃金の面での開きも大きい。
格差解消は急務なのは言うまでもないが、ただでさえ、女子の成績が良いので、男女合同定員になれば、女子が多い高校が増えるような気がする。こんな余計な心配をするのも、ジェンダー平等に反するのかもしれない。(時)
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