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未来の小窓(62) 便利なスマホ

 昭和から平成にかけ、地域を支え続けた鉄道が次々と廃線になっていった。当時の様子を映像で振り返るテレビ番組を見ると、車窓から流れゆく風景を熱心に見ている人々に気付く。車外の景色や車内の様子もほとんど気に留めず、スマートフォン(スマホ)に夢中になっている昨今の乗客を見慣れているだけに、その姿が何とも新鮮に映る。
 通話の機能しかなかったアナログ式の携帯電話に対し、スマホの便利さはいうまでもない。インターネットの利用もでき、レストランの予約、テレビの視聴もできる。カメラやカーナビの代わりにもなる。時計や住所録、スケジュール管理に利用している人もいる。
 スマホをいつも握りしめているような若者もいるが、福岡市私立保育士会と当ネットワークとの共催で開いた保育士の研修会(7月19日)で、横田晋務・九州大学准教授が、スマホの危険性を訴えた。研修会は保育士が対象で、演題は「学力を支える生活習慣」。横田准教授は、各種の調査データを紹介し、「学力に悪影響を与えることは明白」、「長時間のゲームや過度のスマホ使用は、学習効果を打ち消してしまう」などと説明、子どもにスマホを使わせるかどうかについても、慎重に考えることを求めた。
 レストランなどで、スマホの画面ばかりを見ている親子連れや若者グループを見かけることがある。彼らはいかほどの会話をしているのだろうか。画面を見ているだけなら。一緒に食事をする必要はないだろうなどと余計なことも考えてしまう。LINEが気になって仕方がないという若者もいるようだが、便利なスマホが精神状態に影響を与えていることになる。まず、電車やバスの車内ぐらい、スマホをかばんにしまい、車窓の風景を眺めたらどうだろうか。(時)
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未来の小窓(61) 五輪開幕

 第32回夏季五輪東京大会が23日、開幕した。新型コロナウイルスの影響で1年延期となった大会には、205か国・地域、難民選手団の選手約1万1000人が参加する。新聞やテレビは、例によって盛り上げようと懸命で、やたらとはしゃぐタレントの笑い声も気になる。
 五輪大好きで知られる、全国紙の編集委員は「選手の勇気に敬意を」と書いていたが、違和感が拭えない。「平和の祭典」と強調するが、核ミサイルの開発に余念のない北朝鮮は参加を取りやめた。紛争や内戦で揺れる地域の代表は今回も難民選手団としての出場を余儀なくされている。感染拡大の懸念を表明していた天皇陛下は、開会宣言で、「祝い」ではなく、「記念」という言葉を使って、挨拶した。入場行進した選手の多くがマスク姿だった。
 国民性かもしれないが、日本人ほど、五輪とノーベル賞に熱狂する国はない、と聞いたことがある。日本が初めてオリンピックに参加したのは、1912年の第5回ストックホルム大会。参加したのは2人で、メダルにはほど遠かった。
近年は世界に伍する力をつけてきており、多くのメダルを獲得しているが、1位の米国と比べれば、5分の1以下にすぎない。かの国では、メダリストの希少性があまりないことが分かる。一方、ノーベル賞は、日本国籍の受賞者が25人なのに、1位の米国は400人近い。
 この熱狂はパラリンピックの閉幕まで、続くかもしれないが、本当に敬意を払う相手は、感染者の治療に当たる医療関係者であり、売り上げの減少に危機感を募らせる飲食店関係者ではないか。高齢者の介護や保育園児の世話を担う人々ではないだろうか。(時)

未来の小窓(60) 低い生産性

 コロナ禍の前まで、訪日外国人が増え続けていたのは、日本の物価の安さも一因らしい。バブル崩壊以降、日本経済はほぼ「ゼロ成長」が続き、先進国のなかで、生産性の低さも目立つ。「良いものを安く」を合言葉に、働き続けたのに、先進国の潮流とかけ離れてしまったようだ。
 低い生産性と聞いて、思い浮かべるのは旅館のお出迎えだろう。女将と仲居が一列に並んで出迎える光景を目にすることもあるが、当方が支払う宿泊費と出迎えの女性の人件費を勘案すると、何とも申し訳ない気持ちになる。仲居の方々の時間給はいかほどだろうか。この手の出迎えを「おもてなし」という言葉に言い換えて美化してしまえば、生産性の向上の難しさが分かる。
 政府の審議会の小委員会が、今年度の最低賃金(時給)の引き上げ額の目安を28円と決めた。目安通りに改定されれば、最低賃金の全国平均は930円(現在は902円)となるそうだ。コロナ禍が続く中、使用者側は引き上げに抵抗、「現行水準の維持」を主張したが、感染拡大の中で社会生活を支えるエッセンシャルワーカーの処遇改善などを掲げた労働者側の意見が通った格好だ。公益委員が提示した「28円の引き上げ」案の採決では、出席者11人のうち、使用者代表2人が反対したと報道にあった。
 世界の主要国と比べれば、低い最低賃金。労働者の犠牲のうえに、安い物価や真心のおもてなしが成立しているのかもしれない。福岡市の都市部で運行している西日本鉄道の「100円バス」も7月から「150円バス」になった。「薄利多売は良くない」と指摘する識者も目立つようになった。コロナ禍の今、仕事のあり方が問い直されているのではないか。(時)

未来の小窓(59)盛り上げる

 太鼓持ちには宴会を盛り上げる役目がある。相手をおだてたり、褒めたりして「持ち上げる」だけではなく、芸妓や料理の手配も行った。江戸時代の元禄年間(1688年~1704年)に始まったとされる。落語に登場する太鼓持ち「一八」は、おなじみだろう。
 太鼓持ちの正式な名前は幇間(ほうかん)。「幇」は助ける、「間」は人と人の間を表し、人間関係を助けるという意味となるという。由来は太鼓の演奏でうまく調子を取っていたという説のほか、「太閤を持ち上げる」の意味で「太閤持ち」と言っていたことが転じ、「太鼓持ち」になったとする説もあるそうだ。
 開催の中止や無観客観戦の声が上がっていたオリンピック・パラリンピックが、原則として無観客となった。新型コロナウイルスの感染の拡大が続いているためで、対象は5都道県。オリンピックを盛り上げることで、支持率アップや総選挙の勝利を目論んでいた菅政権にとって打撃は大きい。新規感染者数の増加で、不安を煽る一方で、いつものように「盛り上げる」ことばかりを考えていたテレビ局もがっかりだろう。
 感染拡大を防ぎたいというのなら、テレビ局ももう少し「盛り下げる」ことを考えたらどうか。野球で外野に飛ぶと、「大きい、大きい」と連発し、やかましいだけの実況中継や「驚愕」「世紀の対決」といった大仰な字幕を取りやめることも一考だろう。盛り上げるこが善、盛り下げることが悪と思っているから、お笑いタレントが両手でたたきながら、笑い合うのかもしれない。
 実況中継をすれば、スマートフォンの画面を見ながら、路上飲みで盛り上がろうとする若者もいるだろう。ニュースとして、試合の結果を取り上げるだけなら、盛り上がることはないだろう。テレビ局が盛り下げることが難しいという向きもあるかもしれないが、参考にしてほしいテレビ番組がある。NHKのBSニュースだ。ニュースを淡々と読む女性アナウンサーの口調を真似てほしい。(時)

未来の小窓(58) 日本の人口

 日本の歴史は、神武天皇の即位から始まると言われていた時代があった。日本書記などの記述に基づき、皇紀と呼ばれた。元年は西暦前660年とされ、皇紀2600年にあたる1940年には、奉祝の国民歌も作られた。歌いだしは「金鵄輝く日本の」で、一番の終わりは「ああ一億の 胸はなる」だったが、終戦の1945年の人口は約7215万人だったという。
 戦後の経済成長に歩調を合わせるように、人口は増え続けた。9000万人を超えたのは1955年。1億人を突破したのは1970年だった。「神国日本」のすばらしさを強調したかったのか、人口も誇張されていたことが分かる。
 総務省が2020年国勢調査の速報値を発表した。昨年10月1日時点の総人口は1億2622万6568人(男性6136万14人、女性6486万6554人)。前回調査(15年)と比べ、86万8177人(0・7%)減少した。都道府県別にみると、首都圏の人口増が目立ち、38道府県で人口が減った。
 生まれた人より死亡した人の方が多い自然減も続いている。2020年の出生数が約84万人だったのに対し、死者は138万人に超える。子どもの数が減ることは、人口減がさらに進むことを示す。ランドセルや机といった子ども関係の産業、保育園や幼稚園の経営にも脅かす。今のような進学率だと、1学年の学生数は10万人以上も減るため、閉校に追い込まれる大学も少なくないだろう。
 トヨタやソニーといった大企業の名前をよく耳にするためか、「貿易立国」と思っている人もいるが、日本のGDPの8割以上を「内需」が占めている。このため、人口の減少は経済の縮小につながる。新型コロナウイルスの問題も深刻だが。日本の最大の課題が「人口減」であることは間違いない。(時)、
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