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未来の小窓(36) 見上げるほどの山

 戦前、日本の軍部はアヘンに活路を見いだし、植民地政策の柱にしたそうだ。麻薬で得た金を戦費に回したという。五木寛之の著書「70歳年下の君たちへ」(新潮社)で知った。
 アヘンはケシの実から取れる。非常に効力が強く、鎮痛作用を持つモルヒネや麻薬のヘロインの原料になる。6000年前から存在し、「喜びをもたらす植物」と呼ばれていたらしい。よく知られているように、アヘン戦争は、インドで製造したアヘンを中国に持ち込み、巨額の利益を得ていた英国と、販売禁止を求める清国(中国)との戦いだった。英国が勝利し、香港が割譲され、今の混乱の始まりとなっている。
 負の部分が何かと目立つ薬だが、米国の医師、ボール・A・オフィットの著書「禍の科学」によると、ヘロインの安全性を主張した科学者は、数人の人々に数週間に投与しただけだったという。「神の薬 アヘン」の章では、科学者の「データ不足」を指摘したうえで、「モグラが作るような小山ではなく、見上げるほどの山のような根拠を用意してから行動してほしい」と結んでいる。
 残念ながら、新型コロナウイルスの感染に歯止めがかからない。「感染対策の決め手」とされるワクチン接種もまもなく始まる。海外で高い有効性を示しているワクチンについては、政府は特例承認する方針だ。周囲の医師に聞くと、「接種するメリットは、接種しないデメリットより大きい」と口をそろえるが、副反応を懸念する声は根強い。。
 新しい感染症だけに、見上げるほどの山を築くのは難しいのはよく分かる。安全性ができるだけ担保された接種で、感染の収束を期待するしかないのかもしれない。(時)
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未来の小窓(35) 今年の節分

 神官が穀物をまいて、お祓いをすることを散供(さんぐ)というそうだ。桃の弓、葦の矢を持った貴族が、鬼に扮した家来たちを追いかけて逃走させる宮廷行事に由来する節分の豆まきも散供の一つなのだろう。中国の医書には「豆は鬼毒を消して、痛みを止める」とあり、マメは「魔を滅する」に通じるらしい。
 立春や秋分は、国立天文台が太陽と地球の位置関係から計算、前年2月の官報で公表しており、今年は2月2日が節分、翌3日が立春になる。節分が2日になるのは124年ぶり、3日ではないのは、1984年の2月4日以来だという。2022年から3年間は3日に戻るが、25年には再び2日になるそうだ。
 大寒波もゆるみ、春の足音が近づいているのに、今一つ、気分が晴れないのは、収束の気配のない新型コロナウイルスのためだろう。東京や全国の新規感染者数の発表を耳にするたびに、ため息をついている人もいるかもしれない。
 「テレワークを7割に」と言いながら、小中学校は休校にならない。医師や看護師らとともに、エッセンシャルワーカーに位置付けられる保育士や介護職員も、より過酷になった現場で奮闘している。テレビのインタビューで、「政府がもっと強いメッセージを出してくれないと、外出してしまう」と答える若者がいるが、政治が規制しないと、自分の行動も自制できないのだろうか。
 辞書をひもとくと、節分は「立春、立夏、立秋、立冬の前日」、「季節の変わり目」とある。一日早い節分が、感染拡大から収束への変わり目になることを期待するばかりだ。(時)

未来の小窓(34) 絵馬の祈り

 水占(みずうら)みくじは、御神水に浮かべると、文字が見えてくる。各地にあるようだが、京都府左京区の貴船神社のものが有名だ。乾くと、文字が再び消えてしまうことも魅力の一つかもしれない。
 鴨川の上流に鎮座する貴船神社は、水の神様を祀る。雨ごいには黒い馬、晴れを祈る時は、灰色または赤毛の馬を献上していたという。やがて生きた馬の代わりに、板に馬の絵を描いた「板立馬」を奉納するようになり、これが絵馬の由来とされる。神様への願いごとは、絵馬の裏側に書き、持ち帰った場合は、自分の目線より高い所に飾る。
 新型コロナウイルスの感染拡大で、今年の初もうでについて、多くの神社は、「分散しての参拝」を呼びかけた。このため、参拝客は減ったというが、テレビを見ていると、是が非でも元日に初もうでをしようと思った人も少なくなかったようだ。どれほど呼びかけられても、長年の慣習は変えられないということか。そう言えば、沿道での応援自粛を繰り返し呼びかけられていた、箱根駅伝でも、テレビの中継車に沿道で手を振る人には驚かされた。
 初もうでとは言えないかもしれないが、筆者が近くの神社にお参りをしたのは今月11日だった。夕闇が迫っていたこともあって、参拝客は数えるほど。下げられた絵馬も例年より少なかったが、「コロナ終息」を祈願するが文字が目についた。
 緊急事態宣言が13日、11都府県と広がり、政府の入国制限も強化された。絵馬の祈りを、神様がきちんと聞き届けてくれることを期待するしかない。(時)


未来の小窓(33) 泣き面に蜂

 「二度あることは三度ある」という諺がある。同じようなことが起きるので、注意しなさい、ということだが、「良いことが繰り返す」時にも使用できる。似たような諺の「泣きっ面に蜂」は良い時には使わない。
 新型コロナウイルスの感染拡大を受け、政府は1都3県を対象に、緊急事態宣言を発令した。宣言の発令は昨年4月以来。期間は8日から来月7日まで。4都県では人の流れを抑制、飲食店を中心に営業時間の短縮要請を強化する。応じない店舗名の公表もできるが、4都県の飲食店は20万店以上もあり、公表する際は「公平性」が課題になるようだ。専門家は「1回目より、感染が広がっているのに、より緩やかな要請ではどこまで実効性があるのか」「1か月程度で下火にならな」などと指摘するが、効果のほどはどうだろうか。
 今回のコロナ禍で、飲食店、旅行業者、ホテル・旅館の苦境が報じられている。ホテルのリネンを扱うクリーニング店、おしぼり業者、会社員が出勤途上に手にすることが多い缶コーヒーの売り上げも落ちているそうだ。
 暗いニュース一色のなかで、生命保険会社の子育てアンケート調査の記事が目に留まった。昨年6月、0~6歳の子どもがいる計1100人のうち、30・5%が「子どもをさらに欲しい」と回答している。前年調査から9・2ポイントも上昇、2018年の調査開始以来最大となったという。日本社会は今、少子化にあえぐ。「泣きっ面に蜂」の現状のなか、教育・保育の無償化、在宅勤務の広がりで、子育てがしやすくなると考える若い夫婦が増えたのだろうか。(時)

未来の小窓(32) 正月にぜんざい

 ぜんざいの語源は、島根県・出雲地方の「神在(じんざい)餅」に由来する説があるそうだ。正月のテレビ番組で知った。「じんざい」が「ぜんざい」に変わったらしい。祝い事に、赤飯が定番になっているように、小豆には邪気を払う力があり、縁起の良い食べ物とされてきた。雑煮の代わりに、正月にぜんざいを食べる地域もあるという。
 「無事に新年を迎え、年を取ることができた」。数え年で考えれば、正月はめでたいはずなのに、新型コロナウイルスの感染拡大で、気分が何とも晴れない人も多かろう。雑煮にしろ、ぜんざいにしろ、今ひとつの味と感じたかもしれない。
 世の中は、故郷への帰省や年始のイベント、初もうでさえも「自粛」が求められているが、保育の専門家は、この時期だからこそ、昔ながらの遊びを勧めているようだ。カルタや双六、福笑いに加え、すりこぎとボウルの餅つきを挙げているのが目を引いた。臼や杵の代用ができるそうだ。外出の予定もなく、時間の余裕がある時期だからこそ、家族で楽しむと良い、ということらしい。
 コロナ禍に翻弄された2020年。すこやか母子未来ネットワークのイベントも延期を余儀なくされた。新しい年を迎え、心おきなく、祝い事を祝える年になるようにと、願うばかりだ。今年もよろしくお願いします。(時)
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