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未来の小窓(18) 定常人口

 未来の小窓(18)
 「交流人口」という言葉をよく耳にするようになった。その地域を訪れる人を指す。買い物、習い事、観光など目的は問わない。一方、その地域に住む人を指すのが「定住人口」だ。都市のステイタスが人口規模だったこともあったが、人口減少社会となり、定住人口の増加は見込めなくなった。このため、多くの自治体が、交流人口を増やすことに力を入れている。
 元厚労官僚の山崎史郎氏は、著書「人口減少と社会保障」のなかで、「出生率が回復しないと、(おおむね人口が安定する)も定常人口は実現しない。出生率の回は究極の高齢化対策」と説く。2030年に若い世代の希望出生率1・8となり、2040年に2・07まで回復すると、2060年の人口は約1億200万人となり、長期的は9000万人で安定するという。
 菅首相は就任後初の記者会見で少子化対策に力を入れると強調した。基本方針の一つに「不妊治療への保険適用の実現も明記したが、少子化対策が進まなかったのは、未婚の増加や雇用の悪化に十分な対応をしなかったことが大きな理由だろう。それなりの収入がなければ、出産や子育てはできない。不妊対策も良いが、夫が家事に参加できるような働き方改革、保育環境の整備、育児費用の支援など、幅広い「子育て応援」が何より欠かせない。(時)
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未来の小窓(17) スマホ依存

未来の小窓(17)
 果物のなかで、日本人がバナナを最も食べることを、NHKの番組で知った。バナナが初めて台湾から日本に持ち込まれたのは1903年。昭和の初めごろまでは、病気のときにしか口にできない高級品だった。令和の今は、年間100万トンも輸入しており、手ごろな値段で買えるようになった。携帯電話を片手で操作しながら、もう一方の手で食べられる「ワンハンドフード」であることが、バナナ人気の理由の一つだという。
 菅首相が携帯電話料金の引き下げに意欲を見せている。就任会見でも言及した。市場を大手3社が独占し、大きな利益を上げているのは、けしからんということだろう。ほかの国に比べ、料金が高いのは事実のようだが、地下鉄や新幹線の車内でも利用できるのは日本だけらしい。筆者は電話とメールぐらいしか使わないので、定かではないが、驚くほど多くのの機能があり、ゲームや音楽などを楽しむ人も多いようだ。料金引き下げより、機能が少なくて、飛びぬけて安い機種を奨励してほしい。
 今や生活に欠かせなくなった携帯電話だが、内閣府の調査によると、スマートフォン依存の若者が増えているそうだ。高校生の91.9%がスマホを使い、3人に2人は一日に3時間以上利用している。時間つぶしも調べものもスマホという若者もいる。年間一冊の本も読まないという大学生も多い。大学生の書籍代は1か月に平均2000円に満たないという調査結果も目にした。料金の引き下げが、よりスマホ依存を高め、本も読まず、考えない若者を増やすことにならないか。その方が心配になる。(時)

未来の小窓(16) 三大厄日

 未来の小窓(16)
 日本人が好きな数字の一つが「三」だろう。日本三景や日本三名園など、代表的なものを三つにまとめてしまう。「三度目の正直」や「石の上にも三年」といったことわざもある。
 瑞穂の国らしく、農業の「三大厄日」もあると知った。二百十日、二百二十日は、立春から数えた日数。稲が開花・結実するころで、襲来した台風で、農作物が被害を受けることも多い。二百十日のころに吹き荒れる暴風を「野分」と呼ぶことも知られている。今年はそれぞれ8月31日、9月1日だった。
 三大厄日の残る一つが八朔だ。朔は一日の意で、陰暦の8月1日を指す。収穫を前に、地方によっては、「田の実の祝い」もしているようだ。田の実に「頼み」をかけ、害虫、害鳥の被害に遭わないようにとの願いを込めるという。
 野分という言葉を思い出させる台風が、連続して九州の西側の海上を通過した。「特別警報級」といわれた台風10号では死者やけが人も相次いだ。日本の南の海では、海水温度がなかなか下がらないという。八朔のころに、台風が来ないだろうか。不安は募るが、こればかりは、神に「頼み」をするしかないのだろう。(時)

未来の小窓(15) てるてる坊主

未来の小窓(15)
 目にする機会が少なくなったものの一つが「てるてる坊主」だろう。「明日天気にしておくれ」。遠足や運動会の前日、紙や布で作った人もいるはずだ。
 気象衛星の登場もあって、天気予報の精度が年々、向上している。かつて、地方気象台が測候所と呼ばれていたころ、腐りかけたものを食べる時、「測候所 測候所 測候所」と3回、唱えると、「当たらない」といわれていたのが嘘のようだ。明日の天気は、テレビの天気予報やスマートフォンの検索に頼るようになった。
 九州の西海上を北上した台風9号は、それほどの被害はなかった。続けて、日本の南海上を北北西に進む台風10号は「特別級警報級」の勢力らしく、気象庁と国土交通省は最大級の警戒を呼びかけている。警察官や看護師、保育士など、大雨だろうと、大風だろうと、出勤するエッセンシャルワーカーには改めて頭が下がるばかりだ。
 ここ数年の気象災害を見ると、被害の甚大さに驚く。「夕焼けの次の日は晴れる」「カエルが鳴くと雨」「山に黒雲かかれば暴風雨」など空の動きや生物を見て、明日の天気を判じていた「てるてる坊主」の時代がなぜか懐かしい。(時)

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