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未来の小窓(202) ちょうちょ

 唱歌「ちょうちょ」は「ちょうちょ ちょうちょ 菜の葉にとまれ」で始まるが、2番以降の歌詞があることを、「歳時記を唄った童謡の謎」(合田道人著、笠間書院)で知った。2番はスズメ、3番はトンボ、4番はツバメが登場する。1番で春の訪れ、2番で夏の朝、3番は秋、4番は寒い冬から春への期待を表しており、四季を謳っているという。
 ちなみに、「桜の花の 花から花へ」のくだりは戦前、桜の花の さかゆる御代に」になっており、終戦に伴い、今の歌詞になったそうだ。
 陽射しが日ごとに長くなり、里山にチョウが飛び交う季節になった。チョウは、森林、草原、湿地、高山など、さまざまな環境で生息しているが、幼虫は特定の植物しか食べない。空間的に生息地が広がっていなければ、その場所で生き続けることが難しい。日本チョウ類保全協会によると、自然環境の変化に敏感なチョウの寿命は短い。鳥や植物と比べ、早い段階で減少するため、環境の変化を占うバロメーターになる。チョウがいなくなれば、森や草原などの環境が変化がわかるという。
 環境省と調査を担当する日本自然保護協会によると、チョウの仲間87種のうち、国蝶とされるオオムラサキをはじめ約4割が、「絶滅危惧種」に相当するレベルまで急激に減っている。1年あたりの減少率が15%以上を示した種も少なくない。
 里地や里山は、国土の約4割を占める。私有地も多く、管理を放棄された所も目立つ。植生の遷移が進んだり、開発による分断化が進んだりするなど、環境の変化が進行していることがうかがえる。唱歌の世界が失われないことを願うばかりだ。(時)

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未来の小窓(201) はしるな

 「はしるな」。自宅近くの住宅の車庫に、赤い塗料でと平仮名で書かれていた。車庫の壁が白いため、何とも目立つ。10日ほど前までは、気付かなかったので、最近になって、車庫の持ち主が書いたのだろう。車庫の前の道路は小学生の通学路になっている。車を出そうとして、走っている小学生にぶつかりそうになったに違いない。もしかしたら、接触事故があったのかもしれない。赤い文字には、持ち主の「怒り」が込められているようだった。
 通学中の小学生を見ていると、急いでいるわけでもないのに、道路を走っている子どもが目に付く。数人で大騒ぎしながら通学する低学年の男児は少なくないような気がする。
 スポーツ庁の全国調査によると、小中学生の体力が近年、低下している。テレビゲーム、パソコンや携帯電話の画面を見ている「スクリーンタイム」(利用時間)の増加、肥満、朝食の欠食などが背景にあるそうだ。男子児童のスクリーンタイム、1日5時間以上の割合は1割を超え、女子児童も1割近い。スクリーンタイムが長いほど体力合計点数が低いという傾向だったという。
 インターネットを検索すると、子どもが走り回るのは、脳が動き回るように次々に指令を出しているためらしい。走ってはいけない場所で走り回った時には「ここは走ってはダメな場所だよ。走るならもう帰ろう」と冷静に言って、その場を去るのが良いのが効果的だとあった。
 秩序が求められる現代社会。騒がない、道は走らないなど、大人のような振る舞いを求められるが、体力の低下の方が気にかかる。(時)

未来の小窓(200) 紅麹

 訪日客に大人気の「12神薬」という言葉をひところ、よく聞いた。中国人や台湾人が必ず購入する薬のことで、現地では転売もされているという。今も変わらず、人気を集めているのだろうか。
 12神薬のうち、「熱サマシート」や「アンメルツヨコヨコ」など5種の薬を発売しているのが小林製薬(大阪市)だ。創業は1886年。社名に「製薬」を掲げているものの、医療用の医薬品より、医療雑貨の製造、販売している会社の印象が強い。
 小林製薬が製造した紅麹の成分を含むサプリメントを摂取した人の健康被害が問題になっている。毒性が非常に強い、青カビから発生したプベルル酸が混入していたそうだ。これまでに、摂取した5人が亡くなり、入院患者も相次いでいる。被害はさらに広がる恐れがある。
 同社の紅麹は国内外の企業にも供給され、日本酒や食品にも使われていた。供給先のメーカーでも使用された製品の自主回収を始めたが、全く関係のないサプリメントの売れ行きにも影響を与えるかもしれない。
 中国人の「爆買い」が話題になっていたころ、中国人を対象とした福岡市博多区の薬局を訪れたことがある。12神薬はもちろんそろえられていたが、同じ薬がパッケージのまま並べられていた。商品名の表記は、すべて日本語だった。「どうして中国語がないのか」と尋ねたところ、店の責任者は「中国語にすると、(中国で横行している)偽薬と思われてしまう」と苦笑していた。 
 「日本の薬は品質が良く、安全」と思われているなかに起きた製薬会社の不祥事。訪日客だけでなく、世界の人々は、今回の死者まで出すサプリメントをどう思うのだろうか。(時)

未来の小窓(199) 過干渉

 米国映画「ドクター」のキャッチ・フレーズは「ある日、医者は患者になった。そして、医者は人間になった」だった。主人公は外科医。癌を宣告され、患者の立場になる。今まで医療者の立場から見てきた医療現場に対し、さまざまな疑問を感じるようになり、作品は「医療とは何か」と問いかけている。
 私大の医学部教授だった知人は「病気になって、開業医の父親の診察を受け、処方された薬を飲む学生は、長時間、待合室で待つ患者の気持ちが分からない」とこぼしていた。正確なデータがないが、「医者の子供は医者になる確率が高い」と言われる。医師を親に持つ医学部生は全体の3割、私立の医学部になると半数程度になるらしい。「子供も医者になり、クリニックを継承してほしい」と考えている開業医も少なくない。政治家ではないが、2代、3代と続くクリニックも目立つ。親族の大半が、医療関係者という人もいる。
 言うまでもなく、医師になるには、医学部卒業は必須。学費も高額になる。私立大でもそれなり学力が求められる。医学部合格者の割合は3割を上回るぐらいというから、医学部が狭き門であるかが分かる。
 親がレールを敷いてしまう親もいる。子どもの面接について行ったり、デートにつきまとったりするヘリコプターペアレントもいる。最近では、カーリングペアレントという言葉も登場している。子どもが思わぬ方向にそれてしまわないように先回りをして障害物を取り除いていく親を指すそうだ。親が干渉し過ぎて、子どもが自立できないのは同じだろう。(時)

未来の小窓(198) お犬姫

 どんな犬でもてなずけることができる娘、知世が活躍する時代小説「元禄お犬姫」を手に取った。著者は諸田玲子。徳川綱吉が発した「生類憐みの令」のもと、犬と人間が巻き起こす事件や騒動を描いている。知世は、鷹狩の際に使う犬の養育や訓練をする御犬索(おいぬさく)の家柄という設定だ。
 元禄のころ、広大な犬小屋が各地に造られた。犬小屋に収容された野犬も幕府管理の犬となり、「御犬さま」とも呼ばれた。犬小屋は「野良犬を養うよう強要した悪政の象徴」と言われてきたが、設置を歓迎されていたことを示す文書もあるようだ。
ペットを飼うことがブームという。飼育頭数は犬が約892万匹、猫が953万匹推定されており、猫が犬を逆転したそうだ。核家族化が進むなか、「ペットを飼育しているもしくは飼育経験がある」人を対象とした調査によると、72・9%がペットを家族(ヒト)と同等の存在と回答している。知り合いのペット霊園を訪問した際、1時間足らずの間に3本も葬儀の依頼があった。泣きながら電話をしてくる女性もおり、ペットへの愛情の深さが分かる。
 ペットとヒトとの歴史は古い。女性と子犬が一緒に埋葬されているミイラが、約1万2000年前の遺跡から見つかっているというが、ペットが苦手な人も少なくない。災害の際、ペットが一緒に避難する人もいるが、「犬猫よりも人の命が先」「避難所で犬と一緒に過ごすなんて考えられない」などの声も多い。
 ペットとどう向き合うか。人口減少が避けられないなか、課題の一つかもしれない。(時)
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